「T型人材」と「エ型育成」

T型人材

こんにちは!PAMグループ人事の相川貴志です。
このカテゴリー2回目の投稿となる今回は「T型人材とエ型育成」についてです。
⇒「てぃーがた、えがた」と読んでください。

さて「T型人材」という人材タイプの考え方をご存知でしょうか。
ビジネスリーダーと言われる方の多くは「T型」のキャリアを歩んでいることがわかっており、この先変化の激しい時代においても重要なキーとなります。

T型人材とは

図にあるように専門性の深さと幅の広さを両立している人材のことです。
順番はどちらでもいいのですが、一般的には①⇒②の順序でキャリアを形成することが多いので、ここでも①⇒②の順に解説します。

①専門性の深さ

まずは、その領域において右に出るものはいないぐらいの専門性を身に着けることを目指します。
その際に、いったいどれぐらいの深さが必要かは気になりますよね。たぶん想像しているよりもずっと深いです!

マーケットの中でも専門性が高いレベルにあり、プロとして人に教えられるぐらいの深さが必要です。
なぜなら深い考察や説得力がないと「ただの器用な奴」「浅い奴」になってしまい、後々めちゃくちゃ苦労してしまうからなんです。

想像してほしいのですが、「まあまあの深さでいくつもの領域を経験してきた人」が、経営会議などでバリューを発揮できそうでしょうか?
他の経営メンバーは、それぞれの領域に深い知見があり発言するなか、その人だけ全てが浅いため応用が効かず結局芯を捉えた発言はできないでしょう。
将来的にバリューを発揮するには何か1つ深い専門性が必要です。

さて、「まあまあの経験」ぐらいでは少し物足りないということがわかったうえで、ではマーケットで高いレベルになるまでにどのぐらいの時間が必要になるのでしょうか。
一般的に1つの領域を極めるのに「1万時間」かかると言われており、早い人で5年、普通にやると10年はかかるものだと思ってください。
「個人事業主になったと仮定してその専門性でじゅうぶんに食っていけるか」を基準に目指すといいでしょう。

②幅の広さ

幅の広さの定義は様々あるのですが、大きくは「ビジネス系のスキルセット」と「教養」の2つがあると思います。

ビジネス系のスキルセット
セールス、マーケティング、財務、法律、マネジメント、経営センス、IT関連などの先端テクノロジー

教養(リベラルアーツ)
アート、歴史、文学哲学、政治経済、教育、文化

これら全てを知る必要はありませんが、広く興味を持ち「繋がりで捉える」ことが大事です。
1つ1つの領域はぶつ切りに見えるものも、面白いもので物事は全て繋がっています。これら全体を補足できるようになると問題解決の精度がグンとあがるはずです。

例えば、アートを知ることで歴史的背景との繋がりを捉え、歴史を知ることでマネジメントへの繋がりを捉える、といったようにまるでシナプスのように結合されます。
余談ですが繋がりが増えるほど知的好奇心が旺盛になり、さらにキャッチアップしようとする「学びスパイラル」に入る感覚が実感できます。

T型人材の事例

いかがでしょうか。①の専門性と②の幅の広さを両立できた自分を想像するとワクワクしませんか!
では世の中で実際にT型人材に該当する人はどんな人なのでしょうか。

ここでは1人だけ紹介したいのですが、ヤフーでCSOをされている安宅和人さんがまさにT型人材!

以下に経歴も掲載していますが、とにかくすごい方で「脳神経科学+ビッグデータ」の専門性と「経営や産学官を連携させた社会的活動」を両立されており、もはや無双状態なんです。ヤバくないですか!?
専門性があるからこそ説得力がうまれ、幅の広さによって世界レベルでの問題解決を主導できるのだと思います。

安宅和人

安宅和人(アタカカズト)
慶應義塾大学環境情報学部教授
ヤフー株式会社 チーフストラテジーオフィサー(CSO)

【略歴】東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年春、学位(Ph.D.)取得。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として飲料、電子マネーを含む幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。2008年よりヤフー。2012年7月よりCSO。途中データ及び研究開発部門も統括。事業戦略課題の解決、大型提携案件の推進に加え、市場インテリジェンス部門、ヤフービッグデータレポート、データ活用を含む全社戦略などを担当。

出展:【慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス 教員プロフィール】 安宅 和人

T型人材の育成課題

そんなT型人材にも実は課題があるのですが、「育成が困難」であるということです。
特に「①の専門性の深さ」から「②の幅の広さ」に移行する段階で失敗してしまうことが多いようです。

何が起きるかというと、①で専門性を10年間追求した結果、「思考が固くなってしまったり、成熟してしまう」ことが原因でうまく移行できないケースが発生します。

T型人材の育成課題

ではどうすればいいのでしょうか。
T型人材の育成課題に対してPAMグループが取り組んでいる方法があるので、解説させていただきます。

 

T型で育成するための新卒ジョブローテーション

専門性を深める手前(⓪)で例えば新卒の一定期間「幅を経験させる」という考え方です。
そうすることで、将来的に①から②へ移行する際のハードルを下げることが出来ます。

PAMグループでは「新卒ジョブローテーション」という制度で⓪の部分を実現しています。
具体的には、集合研修が終わった後すぐ本配属するのではなく、3か月間の周期でローテーション配属をします。
例:アールストーン(3か月)⇒ピース(3か月)⇒ぱむ(本配属)

本配属先ではない部署での3か月間の経験や横断的な関係性構築が、その後の①の専門性のフェーズで思考を凝り固めすぎずにキャリアを積むことができるようになります。
将来的に①から②への移行がスムーズになることを期待しています。

突破するべき課題

ここまで見ると、T型人材のためのエ型育成、完璧じゃん!!と思うかもしれませんが最初からうまくいったわけではなく、PAMグループでも紆余曲折ありましたので赤裸々にお伝えしたいと思います!

【課題①】
何よりも新卒本人が望んでいないケースもあります。本人からしたら1日も早く本配属先での仕事を覚えたいし、マーケットの中での同世代に遅れをとりたくない想いがあります。
5年後10年後の不確かなキャリアの話ではなく、今この瞬間やりたい仕事をして成長したいのは当然です。
それでもなお、本人が納得せずとも会社としてT型(エ型)人材を育てるという意思を貫くことが大事です。そのために内定承諾前に背景を説明し、共感してもらうこともしています。

【課題②】
受け入れ部署にとってのメリットが薄いという事実もあります。ドライに聞こえるかもしれませんが、各部署は自分たちの事業を心から好きで真剣に向き合っているからこそ妥協はありえないわけです。
その熱量のなかで、本配属しない新卒を一定期間受け入れて育成したあとに手放すことに抵抗を感じるのは当たり前のことです。
部門間のセクショナリズムはどの会社でも起こりむしろ健全なことですので、こういった本気の「どつきあい」をすることと、想いを伝え続けることが大事です。

最後に

いかがでしたか?

変化の激しい時代を生き抜くにはT型人材のキャリア構築が大事であり、T型を実現するには「エの字」のような経験を積むことをお勧めしています。

最後に、ひっくり返すようですが、キャリアはそうそう予測できるものではありません。エ型育成の仕組みなどで機会は作ることができても、最終的には自分自身で築くものです。
どんな道を選ぼうとも置かれた環境に真っ直ぐ向き合い続け、プロになることを願っています!

 

PAMグループでは他にも「ジョブチャレ制度」というユニークな制度を導入しています。
ご興味がありましたらご一読ください!
⇒「ジョブチャレ導入の背景と仕組み」

 

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